“持たない”ことでうまれるサステナブルな繋がり
あなたはものを買う時に何を意識していますか?
デザインがおしゃれなもの、しっかり長く使えるもの、価格が手ごろなもの、作り手の顔が見れるもの、色々な決め手がありますよね。
以前伺った五常・アンド・カンパニーの慎泰俊代表へのインタビューでは、200項目くらいの持ち物リストをつくっていて、そのリストに入っていないものは買わないようにしているとのこと。ものをあまり持たないようにして、自分が納得したものにお金を使うことを心がけているというお話が大変印象に残っています。
でも、便利なものは使いたい!ついつい買ってしまうという方も多いはず。そんなあなたに注目してほしいのが、今回取り上げるシェアリング、シェアリングエコノミーです。シェアリングエコノミーの5つの分類ごとにご紹介します。
モノのシェア
シェアリングと聞いて、一番に「モノ」のシェアリングをイメージする方は多いのではないでしょうか。使わなくなったモノを誰かに譲れたり、レンタルサービスがたくさんありますよね。
メルカリ
フリマサイトのメルカリは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに掲げています。これには、誰もが簡単にモノの売り買いを楽しむことによって、資源を循環させる豊かな社会、そして個人がやりたいことを実現できる社会をつくっていきたいという想いが込められています。
そんなマーケットプレイスを国境や文化、言語を超え、世界中で展開することで、人々がモノを大切に使う循環型社会の実現を目指していきたいと考えています。
エアークローゼット
『airCloset』は、日本初・国内最大級、女性向けの普段着に特化した提案型のファッションレンタルサービスです。新しいお洋服と出会うことのワクワク感を大切にしたいと考え、スタイリストが毎回お客様に合わせてスタイリングする、パーソナルスタイリングを行っています。
ファストファッションによる大量生産大量廃棄が課題となるアパレル業界で、このシェアリングモデルはお洋服一着一着の着られる機会を増やし無駄に捨てられることを防ぐ“循環型の持続可能な仕組み”となります。
スキルのシェア
副業が一般的になる中、家事や介護、育児、イラスト等の知識やスキルをシェアできるサービスも増えてきました。ユーザーも気軽にプロにお願いでき、スキルのある人はキャリアを積み収入を得ることもできます。
ジモティー
地域の中で生まれる小さな困りごとを解決する無料の広告掲示板サービスを展開するジモティー。モノのやり取りだけではなく、習い事や不動産、アルバイト等様々な情報を投稿できます。
お金という尺度では相対的に価値が小さいとみなされやすくても、実はそれを切実に必要とする人が世の中にはたくさんいる。そのような見過ごされてしまいがちな、けれどとても大切な情報を発信する仕組みを提供することによって、日常的に営まれる生活の基盤を支えていきたいという想いでサービスを運営しています。
ココナラ
スキルのマッチングプラットフォームのココナラは、あらゆる人が活躍できる仕組みを創出します。プロからアマチュアまで全てのスキル提供者を、そしてプライベート利用からビジネス利用まで全てのスキルの享受者を含む、あらゆる人を見据えた価値提供にこだわります。
また、住んでいる場所や活動できる時間、あるいは定年・結婚・出産・独立といった環境の変化等の制約をテクノロジーの力で取り除いていきます。
移動のシェア
今では移動は電車やタクシーだけでなく、カーシェアやシェアサイクル等、自分では持たないシェアリングという形が増えてきました。
Luup
LUUPは、電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスです。日本の街や人々が抱える移動課題に寄り添い、誰もがいつでも・どこにいても自由に移動できる次世代インフラをつくっています。
従来は移動が不便だった街でも、LUUPによって交通の利便性が上がりアクセスが良くなることで、本来その街が持っていた住む場所やお出かけ先としての魅力の再発見を促すことができます。CO2排出量の少ない小型の電動モビリティにより、社会全体としてCO2の排出量を削減することができます。
NearMe
シェア乗りサービスのNearMeは、移動における「もったいない」を解消することを目指し、独自のAIを活用した「シェアによって、お得でスムーズ」な移動体験を提供するシャトルサービス「NearMe / ニアミー」を提供しています。
人々の生活をもっと自由にするだけでなく、身近な価値に気づけるように。地域と個人とその繋がりを紡ぎ、持続可能な地域を広げていくことを、ニアミーは目指しています。
空間のシェア
空き家等の遊休不動産や使われていない私有林が増えているという課題に対し、空間をシェアすることで解決に繋げる企業もあります。
スペースマーケット
あらゆるスペースを時間単位で貸し借りできるスペースのプラットフォームサービスを運営するスペースマーケット。スペースシェア文化は、様々な遊休スペースを収益化し、新しい経済循環を生み出しています。不動産の活用としても新しい選択肢として浸透し始め、地域には、人と人の繋がりが生まれています。スペースマーケットは、テクノロジーの力で、スペースシェアをあたりまえの選択肢にすることで、多様性あふれる持続可能な社会に貢献します。
YAMAKAS(メディコム株式会社)
YAMAKASは、未活用山林をお持ちの山主様とソロキャンパーをマッチングし、月額制でプライベート野営地として利用できるサービスです。
日本国土の約66%は森林で、その58%は個人や企業が所有する「私有林」です。しかし現在は持ち主であっても自分が持っている山林に行ったことがない、自分の山林がどのような状態か把握していないということがあります。YAMAKASはそんな未活用の私有林の一部をプライベートキャンプ場としてキャンパーに貸し出すことで山主に収益を提供し、その収益を持って山林の整備を推進するサービスです。
お金のシェア
今では一般的になってきたクラウドファンディングや寄付。誰かを応援するために自分のお金をシェアするという意味で、お金のシェアリングに繋がります。
READYFOR
クラウドファンディングや寄付等のREADYFORは、社会に必要にも関わらず課題解決コストが高くお金が流れていない領域や、個別のニーズに対して課題解決を行う領域等、経済合理性だけでは測れない活動を支援しています。
資本主義では解決できないところへ、想いの乗ったお金の流れを増やす。そのために社会を持続可能にする資金調達の仕組みとして「寄付・補助金のインフラ」を構築する。そして未来をより良い方へ進めることに貢献すべく尽力しています。
ふるさと納税 for Good
ふるさと納税 for Goodは、社会を良くする取り組みをしている自治体にクラウドファンディング型で寄付ができる仕組みを取り入れています。従来通り返礼品をもらえて、さらに納税の具体的な使い道を選ぶことができ、実際の寄付の使い道も報告されます。
サービス提供開始から4ヶ月間の寄付者456名を対象に行った調査では、全体の45%が「返礼なし」を選択しているとのこと。返礼品を受け取るのではなく、プロジェクトにより多くの資金を充ててほしいという共感が得られていることがわかりました。
“持たない”ことで繋がるサステナブルへ
今回は、あえてモノを持たずに誰かとシェアする事例をご紹介しました。
以前インタビューさせていただいた「シェアリングエコノミー協会」代表の石山アンジュさんの記事も是非読んでみてください。単なる節約ではない、シェアリングの価値を感じてもらえると思います。
より詳しく知りたい方は、消費者庁のページも是非ご覧ください。
誰かと同じモノに対する想いを語り合う喜びも、普段は手が出せないことに対して挑戦できる喜びもシェアリングならではだと考えます。是非あなたもシェアリング体験を始めてみてはいかがでしょうか?
「Money for Good」では、お金の流れで社会課題の解決を目指しています。社会も、自分自身の生活も持続可能なものにするために、日ごろから小さなできることを積み重ねていく。社会を良くしようとしている企業を応援してみる。あなたのできる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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