「食のサステナビリティ」に取り組む企業
提供元:SMBC日興証券 Money for Good編集部
Money for Good と三井住友DSアセットマネジメントが共創し、ESG投資の最前線の情報をお届けするコラボマガジン「サステナビリティx投資の最前線!」。前回、三井住友DSアセットマネジメントは「食のサステナビリティ」を取り上げてくださいました(「食のサステナビリティ」にもっと注目を︕︕(2023年7月26日))。今回、Money for Goodでは「食のサステナビリティ」に取り組む企業をご紹介したいとおもいます。
食糧問題と環境負荷
世界的な人口増加と新興国の経済成長に伴う食生活の変化が加わり、鶏・豚・牛などの食肉や魚介類の需要が増加しています。食肉の生産には大量の穀物(飼料)と水を消費します。
例えば、牛肉1㎏の生産には11㎏の穀物と20,600リットルの水(家庭のお風呂の浴槽約100杯分に相当)が必要とお伝えしました。近所のスーパーなどでもよく見かけるようになった大豆ミート、代替肉として注目されていますが、どのくらい環境にやさしいのでしょうか?
牛肉1kg生産するのに水は20,600リットル必要となる一方で、大豆1kgは2,500リットルとなります。牛肉は大豆の約8倍の水を必要とすることがわかります。また牛肉は大豆ミートの12倍のCO2排出量となることが示されています(日清食品試算)。人口増加に伴う食糧問題の解決策としても、環境問題への対策としても代替肉は注目されているのです。
食のサステナビリティに本気で取り組む企業
皆さんにとっても身近に感じられる多くの企業が食のサステナビリテイに取り組んでいます。今回は代替肉に取り組んでいる企業を中心にご紹介します。
味の素
うま味調味料「味の素」をはじめ、「Cook Do(クックドゥ)」「ギョーザ」などの食品メーカー。アミノ酸のリーディングカンパニーとして、「食品」と「アミノサイエンス」を柱とした幅広い事業をグローバルに展開しています。
アミノ酸の一種であるグルタミン酸の「うま味」にかかわる味覚だけに限らず、嗅覚、食感も含め、「おいしさ」をトータルで構成する重要な技術の蓄積を膨大に持ち、「おいしさ設計技術」と呼んでいます。
植物性の代替肉は、味に満足できない、とりわけ肉のうま味がなさそうとの印象が強いかもしれません。味の素はアミノ酸技術を使って、代替肉をおいしく、肉っぽい味を感じられるうま味素材(グルタミン酸ナトリウム)を開発しています。植物性たんぱく質をおいしくし、人々がより健康的な栄養のある食事を、楽しむことができるよう手助けをしています。またフードテックスタートアップなどに投資も行っています。
アミノサイエンス®の活用によりプラントベースプロテイン・スタートアップ企業をサポート味の素㈱、プラントベース with ニュートリションの価値提供を強化(2023年7月14日PR)
二酸化炭素を栄養源とした微生物たんぱく質「Solein®」の活用、味の素とSolar Foods社が戦略的提携で合意(2023年5月30日PR)
味の素と明治グループ、持続可能な酪農業の実現に向けた協業を開始。日本で初めてアミノ酸を活用したJ-クレジット制度プロジェクトを酪農業で実施(2023年3月27日PR)
同社の株主優待制度では、味の素製品詰め合わせセットまたは寄付を選ぶことができます。寄付は公益財団法人味の素ファンデーションを通じて、食を通じた栄養改善に関する社会貢献活動に寄付されます。
不二製油グループ本社
植物性油脂や大豆を原料とした食品素材を世界で展開、製菓向けに強み。
大豆加工素材事業を通して植物性食品の普及拡大を目指しています。2022年7月にプラントベースフード戦略説明会を開催。プラントベースフードの新たなフラッグシップ「GOOD NOON」を発表しています。また伊藤忠のプラントベース食品ブランド「wellbeans(ウェルビーンズ)」の商品開発にも不二製油の植物性素材が活用されています。
新製法の大豆ミート 「プライムソイミート」が 2022 年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞を受賞(2023年1月4日PR)
プラントベースフード メニューのお知らせ ~今月からホテルニューオータニ(東京)のビュッフェに登場~(2022年8月17日PR)
同社の株主優待制度では大豆ミートなど同社製品を受け取ることができます。
J-オイルミルズ
#ふやす #かう・つかう
食用油脂の製造・販売を主たる業務とする食品メーカー。
成長戦略にプラントベースフード(PBF)を掲げ、徹底的に「おいしさ」にこだわりながら、同時に「健康」や「環境負荷の低減(低負荷)」の実現を目指しています。世界的なPBFリーディングブランド「Violife」(植物生まれのチーズ)の日本国内における独占販売、日本市場における商品ライナップの拡充を図っています。海外で主に海苔代替品として好評を得ている大豆シート食品「まめのりさんⓇ」や、植物性たん白・油脂・でん粉を同社の技術でおいしく加工した植物性ミートなどの肉系プラントベース素材などの製造・販売も行っています。
6月は『環境月間』 『植物生まれのチーズ「Violife(ビオライフ)」で実現する 「食べるサス活」プロジェクト始動!』記者発表会(2023年6月6日PR)
J-オイルミルズ 温室効果ガス排出量削減に向けインターナルカーボンプライシング(ICP)制度を導入(2023年3月30日PR)
同社の株主優待制度では、同社製品と公式オンラインショップクーポンか、寄付を選ぶことができます。寄付はWFP国連世界食糧計画の公式支援窓口である認定NPO法人 国連WFP協会の寄付プログラムを通じ、途上国の食料支援に活用されます。
日清食品ホールディングス
即席めん大手。海外展開に注力。
2020年4月に環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取り組みを強化しています。
日清食品の主力商品の一つであるカップヌードルの具材、「謎肉」も植物由来の代替食、大豆ベースのNeo Natural Meatを使用しています。2021年12月に開催された「東京栄養サミット2021」では、即席麺製品の具材として使用している「植物性たんぱく質」について、国内における使用量を2030年までに年間1,100トンへ引き上げることをコミットメントとして発表しました。
また2019年には培養肉の作製に成功しています。
同社の株主優待制度ではグループ会社製品詰め合わせか寄付が選べ、WFP国連世界食糧計画に寄付が行えます。
日揮ホールディングス
プラント建設大手。石油精製が主力。培養肉の商業化に取り組んでいます。
社内ベンチャーとしてオルガノイドファームを設立し、動物細胞を培養して食肉を生産する培養肉(クリーンミート)の商業生産を目指し、技術開発を行っています。同グループが医薬品分野を通じて培ってきた細胞培養関連技術や大規模生産を可能とする工程の自動化・効率化などのエンジニアリング技術力を駆使し、栄養改善などを実現する高機能・高付加価値な培養肉生産技術の確立を目指します。2030年に商業プラントの運転開始を予定しています。
キッコーマン
しょうゆ最大手。
大豆というと、この企業を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。キッコーマンも動物性由来原料を使わないプラントベースフード「ワン・ファミリーシリーズ」を展開しています。大豆ミートをジューシーにする調味料も展開されています。
同社の株主優待制度では同社製品、クオカードや寄付が選べます。寄付は認定NPO法人国連WFP協会への寄付となります。
わたしたちにできることは?
さまざまな企業がそれぞれに工夫をし、社会課題解決のためイノベーションをおこしています。皆さんが生活者として商品を購入するだけでなく、企業の株式を購入することで、社会課題に取り組む企業を応援することができます。そして、その結果、株主優待制度などを通して、NPO団体などへの寄付につながる企業もあります。株主として配当金を受け取りながら、株主優待制度で寄付もできます。経済的価値を享受しながら、社会的価値も生み出せるのです。
まだまだ投資はハードルが高いという印象を持っている方も多いかもしれません、しかし現在では100円から投資ができたり、ポイント投資ができるなど手軽に投資を始めることができます。まずは投資を始めてみませんか?
また、個別株だとハードルが高いという方もいるかもしれません、そんな方にはNISA対象の投資信託などから始めることもできます。三井住友DSアセットマネジメントのクライメート・ソリューション・ファンドでは、投資テーマの一つに食糧・水が含まれ、貢献度の高い企業への投資を通じ、気候変動問題の解決を後押しします。※上記の企業に投資するとは限りません。
まとめ
近所のスーパーで大豆ミートを購入してみました。想像以上においしかったです。企業努力のたまものだなと感謝しながらいただきました。食糧問題は私たちにとっても、とても重要な課題です。日頃から少しでも考えてみる、少しでも行動してみることが大切です。投資もサステナビリティもコツコツ積み重ね、継続が大事なのではないでしょうか。
「Money for Good」では、お金の流れで社会課題の解決を目指しています。社会も、自分自身の生活も持続可能なものにするために、日ごろから小さなできることを積み重ねていく。社会を良くしようとしている企業を応援してみる。あなたのできる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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