おいしくSDGs!食べられる食器で脱プラへ
6月18日は、国連が定めた「持続可能な食文化の日」です。持続可能な食料生産や生物多様性の保全を促進し、貧困の削減や環境保護などに向け、持続可能な食文化の重要性を多くの人々に認識してもらうため、2016年に制定されました。今回は脱プラスチックにむけての取組みの一つとして、食品業界で近年注目されている環境にやさしいアイテム「食べられる食器」について、いくつか紹介したいと思います。
依然として深刻なプラスチックごみ問題
2020年7月にレジ袋有料化がスタートし、マイバックを持参する方も増えたのではないでしょうか?国内では、コンビニやスーパーなどでのレジ袋の有料化がすっかり定着しましたが、廃プラスチックの量は未だ高い水準で推移しており、海洋汚染問題もまだまだ解決されていません。2021年の国内の廃プラスチック総排出量は824万tと依然として高止まりしており、そのうち107万tはリサイクルなど有効利用されず焼却・埋立されています。また、私たちの普段の生活や経済活動から海洋に漂流したプラスチックごみは、海洋環境を悪化させ、生態系や海岸機能の低下などにも影響を及ぼします。
脱プラにむけてみんなで力をあわせて
2022年4月には「プラスチック資源循環促進法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)」が施行されました。プラスチック資源循環促進法は、プラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れのなかで3R+Renewableを進め、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を推し進めるためにつくられました。プラスチックのライフサイクル全般に関わる事業者・自治体・生活者のみなさんで取り組める事例がわかりやすくまとめてあります。脱プラスチックの問題は、誰か一人が頑張れば解決できる問題ではないのです。
基本原則:「3R+Renewable」とはリデュース(Reduce, 削減)、リユース(Reuse,再利用)、リサイクル(Recycle)、リニューアブル(Renewable、再生可能)を指します。最近ではプラスチックの代わりに木製スプーンや紙製ストローを提供したり、バイオマスプラスチックを配合した製品に切り替えるなどの動きが加速しています。まさにこれらは「3R+Renewable」の一環ともいえるのです。
脱プラにむけて開発された「食べられる食器」とは?
SDGsや社会貢献が注目されるようになってきている中、多くの企業や団体が様々なアプローチで、「脱プラスチック」にむけて取り組んでいます。それらは単にプラスチックを利用しないといった生活者に我慢を強いるものばかりではありません。生活者側も無理なく楽しみながら貢献できるサステナブルな商品として、「食べられる食器」を導入する企業が増えています。おいしく楽しみながら、食器の使い捨て問題や、海洋プラごみ問題の解決につながる取組みを紹介します。
桔梗屋
山梨県の定番お土産「桔梗信玄餅」を販売する食品メーカー。以前から食品廃棄を減らす取組みとして、自社工場に隣接する直営店にて「お菓子の詰め放題」を実施していることでも有名です。「容器も丸ごと食べられるようにしてほしい」といったお客様の声から、カタチはそのままに材質をもなかの生地に変更した「桔梗信玄餅 極(きわみ)」を発売しました。販売店舗は限られていますが、環境にも配慮したユニークな取組みです。
ブルボン
#ふやす #かう・つかう
チョコレ-トおよび洋菓子の製造・販売を行う食品メーカー。脱プラ問題が注目されるなか新商品開発に取り掛かり、ストローとしての機能を保持した「コロネクッキー」を考案しました。耐水性を強化し、20~30分間はストローとしてシェイクやスムージータイプなどのコールドドリンクで使用することができます。使用後はそのまま食べられるので、おいしくかつ楽しく環境問題に貢献できます。
丸繁製菓
愛知県碧南市でアイスコーンなどの製造・販売を行う企業。食のイベントで使い捨て容器が大量に廃棄される光景を目の当たりにしたのをきっかけに、食べられるトレー(器)「イートレイ」を販売しています。多数の入場者が見込まれる町おこし企画やB-1グランプリなど各種イベントで利用され、2023年度にはタイでも販売を開始するそうです。脱プラへの貢献に加えて、イベント主催者側の負担も減るというメリットもあるため、今後様々なイベント会場で見かける機会が多くなるかもしれません。
テンセンス
#かう・つかう
イベント請負事業を中心にカフェ事業等を展開する企業。苦みのあるエスプレッソを多くの人へ広めるために、食べられるカップ「エコプレッソ」を考案しました。カップ生地はバタークッキーで、カップの内側は砂糖でコーティングされています。砂糖が徐々に溶け出してエスプレッソに甘みが加わり、飲み終わる頃には容器も美味しく食べられるので、エスプレッソの苦みを感じる方でも楽しめるような工夫がなされています。カップを洗う水や洗剤が不要で、ごみも出ないのでエコフレンドリーな商品として注目されています。
ミニストップ
#ふやす #かう・つかう
中堅コンビニエンスストアチェーン。イオン系。店内ファストフード販売に強みをもつ。2030年までに、使い捨てプラスチックの使用量を18年度比で50%削減する目標を掲げています。その取組みの一つとして、店内で提供するソフトクリームのスプーンをプラスチック製からコーン製に切り替えました。「食べるスプーン」の導入により、年間約44t相当のプラスチック削減ができ、二酸化炭素(CO2)排出量は約120t削減することが可能となります。
「食べるスプーン」を実際に体験!
Money for Goodの編集部にも大人気なミニストップのソフトクリーム。実際に「食べるスプーン」を体験してきました。
脱プラにむけて私たちにできること
プラスチックはとても身近であり、生活に不可欠です。だからこそ、私たちひとり一人の小さな取組みの積み重ねが、より良い環境づくりのために重要なのではないでしょうか。環境にやさしいプラスチック製品を選ぶことや過剰に使用しないように心掛けること、プラスチック製品の分別・回収・リサイクルに協力するなど、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
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「Money for Good」では、お金の流れで社会課題の解決を目指しています。社会も、自分自身の生活も持続可能なものにするために、日ごろから小さなできることを積み重ねていく。社会を良くしようとしている企業を応援してみる。あなたのできる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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