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統合報告書をみてみよう

提供元:SMBC日興証券 Money for Good編集部

Money for Good三井住友DSアセットマネジメントが共創し、ESG投資の最前線の情報をお届けするコラボマガジン「サステナビリティx投資の最前線!」。前回、三井住友DSアセットマネジメントは「統合報告書を読むポイント」を取り上げてくださいました(「統合報告書を読むポイント」(2023年10月26日))。今回、Money for Goodでも各企業取組みなどを紹介しながら統合報告書について掘り下げたいとおもいます。


統合報告書とは

皆さんは「統合報告書」を知っていますか? そもそも統合報告書を知らないし、みたこともないという方も多いのではないでしょうか?

企業が作成する資料には、有価証券報告書など、金融商品取引法等で開示が義務付けられているもの以外にも、さまざまな資料があります。近年発行している企業が増えているのが、統合報告書になります。

統合報告書:
財務情報及び非財務情報(会社の経営戦略、ガバナンス、パフォーマンスなど)の関連性をわかりやすく取りまとめた報告書のこと

日本証券業協会HP

多くの上場企業はホームページ上でさまざまの情報開示を行っています。決算などの財務情報以外にも沢山の非財務情報を開示しています。企業ごとに名称の違いなどはありますが、IR( Investor Relations)、株主・投資家の皆さまへ、サステナビリティ、SDGs、ESGといった名称で開示されている場合が多いです。

統合報告書を読むポイント

統合報告書を読む際のポイントですが、三井住友DSアセットマネジメントの「統合報告書を読むポイント」を参考にしてみてください。

三井住友DSアセットマネジメントの記事よりSMBC日興証券作成

統合報告書には決まった開示様式はなく、各社が内容を自由に決められる点で独自性が強い開示資料です。その分、企業側の想いが伝わるものでもあるのです。投資家や就活生の方だけでなく、皆さんも是非チェックしてみてください。

GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」

日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は国内株式の運用を委託している運用機関に対して「優れた統合報告書」の選定を依頼し、毎年「GPIFの国内株式運用機関が選ぶ『優れた統合報告書』と『改善度の高い統合報告書』」を公表しています。

2023年の「優れた統合報告書」はのべ67社が選ばれています。そのうち、多くの運用機関から高い評価を得た企業が下記の企業になります。

GPIF資料よりSMBC日興証券作成

プロの投資家である機関投資家が優れていると考えたコメントもレポートには掲載されています。上記企業に対するコメントを抜粋し、掲載します。

伊藤忠商事

  • 企業価値向上に対する経営者の力強い意志が伝わってくる

  • 企業価値とマテリアリティとの関係性が明確に説明されている

  • 女性活躍推進委員会での取組みや議論が非常に興味深い

日立製作所

  • DX/GXを中心に価値創造ストーリーがわかりやすくまとめられている

  • CO2削減やデジタル人財戦略などESGに関する項目が事業と紐づけられている

  • ESGと同社の戦略が整合的に一望できる優れた内容

オムロン

  • 人的資本投資の取組みの記載がかなり充実している

  • サステナビリティの重要課題への取組みによって企業価値を向上させる会社としての考え方が理解できる

  • 具体的な目標や考え方も記載することにより、企業価値向上とのつながりが理解しやすい

リコー

  • 価値創造プロセスの各項目について、補足的に背景や具体的事例等が明示されており、創意工夫がなされている

  • ESG項目を網羅しており、かつ各々の水準が極めて高い

  • ESGを「将来財務」と位置付けるなど、熱量が高く独自性のある内容

東京海上ホールディングス

  • パーパスストーリーを軸にして、独自性のある構成

  • 気候変動にもフォーカスしており、TCFDのシナリオ分析が秀逸

  • 人的資本への投資を強化することで企業価値向上に結び付けていることが理解しやすい内容

味の素

  • 中期指標経営やスピードアップxスケールアップなど、新社長のメッセージが明確であり好印象

  • CEOメッセージが優れている。CEOとして取り組むべきことが明瞭かつ熱意をもって記述されているため、読み手に考え方が伝わり、今後の経営に期待を持たせる内容。

  • ASV経営を掲げ、企業価値最大化のために重要と考えている無形資産における取組みを詳細に説明

どの企業をチェックする?

最後に、どんな企業からチェックしたらいいのかですが、まずは日常生活で気になっている企業のホームページをみてみるのはいかがでしょうか。そして、上記で紹介したプロの視点を参考にしながら、統合報告書をみてみましょう。

投稿コンテスト「 #推したい会社 」でもご応募してくださったクリエイターの多くの方が、気になった企業の会社情報を調べるという行動をとられていました。

わたしたちにできることは?

まずは周囲にあるものに関心をもち、そして調べてみるという一歩をとることではないでしょうか。

さまざまな企業がそれぞれに工夫をし、社会課題解決のためイノベーションをおこしています。皆さんが生活者として商品を購入するだけでなく、企業の株式を購入することで、社会課題に取り組む企業を応援することができます。そして、その結果、株主優待制度などを通して、NPO団体などへの寄付につながる企業もあります。株主として配当金を受け取りながら、株主優待制度で寄付もできます。経済的価値を享受しながら、社会的価値も生み出せるのです。

まだまだ投資はハードルが高いという印象を持っている方も多いかもしれません、しかし現在では100円から投資ができたり、ポイント投資ができるなど手軽に投資を始めることができます。まずは投資を始めてみませんか?

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