「環境のために我慢」はもう古い?食べれば食べるほど森や海が再生する仕組みや商品づくりに取り組む企業をご紹介
「環境のために我慢」しない方法がある?
人間が食べ物を作り、消費する過程では森を切り開いたり、水を消費したり、CO2を排出したりと環境にさまざまな負荷を与えます。
とはいえ、やはりお肉もチーズも食べたいし、時には使い捨てプラスチックも使ってしまう。環境負荷をなくすために、すべてを我慢して生活することは難しいのではないでしょうか。
それでは私たちが生活する限り、自然環境を破壊してしまうこの仕組みはもう変えられないのでしょうか。実は最近、反対に食べれば食べるほど、飲めば飲むほど環境を再生できる食の仕組みが生まれてきています。
そうした仕組みの商品を暮らしのなかに取り入れたり、取り組む企業を応援したりすることで、毎日の暮らしを楽しみながら地球環境の再生に貢献することができます。
日々の暮らしのなかで環境を再生できる仕組みや取り組む企業は?
いま世界では、持続可能な社会が目指す「環境負荷を減らす」ということを超えて、環境を再生していく取り組みが重要だとされています。
そこで食の分野でも、食べ物や飲み物を作る過程で森を豊かにしたり、生態系を回復させたり、海を綺麗にしたりする仕組みづくりが始まっています。
以下では普段の生活をしながら環境が再生できる仕組みや、その仕組みづくりに取り組む企業をご紹介します。
読者のみなさんが日頃つかうお金が「応援」となって社会は変わっていきます。本記事ではそんなアクションに#(ハッシュタグ)をつけてご紹介します。
食べれば食べるほど「海」を再生する取り組み
食から海を再生させる取り組みの中で、注目されているものの一つが「海藻」です。
今、世界の海では地球温暖化による海水温の上昇などが原因で有害な生物が異常に増え、それらが海藻を食べ尽くしてしまうことで起こる「磯焼け」が問題となっています。
海藻がつくる藻場は魚や貝などの生き物を育み、海の生態系のバランスを保つ役割があります。
そこで磯焼けを解消するため、海面で海藻を養殖したり、磯焼けの原因となるウニなどを地域の特産品にして売り出したりすることで藻場を再生する取り組みが行われています。
こうした取り組みは海の再生だけでなく、食材の安定供給や地域漁業の活性化にもつながります。
藻場を守る循環型ビジネス。磯焼けの身入りの悪いウニを買い取り、美味しく育成する仕組み「ウニノミクス」
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アオノリの海面栽培で藻場をつくり、海の生態系を豊かに。新たな海藻文化を育む「シーベジタブル」
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食べれば食べるほど「森」や「山」を再生する取り組み
WWFによると2015年以降、毎年約10万平方キロメートルの天然林*が失われており、その大きな原因が農業や畜産だといわれています。(*これは東京都と同じくらいの大きさの森が、1週間ごとに失われ続けている計算です。)
そこで今、森林を再生しながら作物をつくる農業の仕組みが生まれています。
例えばスパイスやカカオが作られるジャングルの森では、森林伐採後の荒れた土地に、自然の生態系と同じように多種類の植物を一緒に植えることで、森を再生しながら作物を作る取り組み(アグロフォレストリー農法)が行われています。
この方法により長い期間同じ土地を使って作物を作ることができるため、自然へのダメージが少なくなります。
また森のさまざまな生態系を守ることができ、森を豊かにすると同時に、CO2の排出も減らすことができます。
森をつくるカカオ。アグロフォレストリー農法で自然の森のような生態系づくりと共に育てたカカオを使用「明治アグロフォレストリーミルクチョコレート」
#ふやす #つかう
スパイスを通じて森林再生を応援。森林保全につながるアグロフォレストリー農法を推進している団体から調達したハウス食品の「C.A.M.T.A. ブラックペパー」
#ふやす #つかう
また放牧により土壌を豊かにしながら畜産・酪農を行い、山や森を再生する仕組みも作られています。
放牧は動物にとってストレスが少ないだけではなく、動物が牧草から栄養を吸収し、その排泄物が新たに肥料となって牧草を育てるという持続可能な土壌再生のサイクルができます。
放牧で土壌や植生を豊かにし、環境再生型の酪農の実現を目指すお菓子メーカー「ユートピアアグリカルチャー」
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飲めば飲むほど「土」や「水」を再生する取り組み
飲めば飲むほど、地球上の土や水の再生につながる仕組みも国内外で生まれています。
生物多様性があり健やかな土壌は、豊かな水を育み、栄養価の高い作物を作るのに欠かせません。また土は健康であればあるほど多くの炭素を吸収するため、地球温暖化への対策としても重要です。
しかし今、森林伐採や、農業で農薬や水を大量に消費することによる土壌の劣化が世界的な問題となっています。
そこで土壌を修復し、地下水を守りながら栽培できる穀物を使ったビール、環境を再生する仕組みで栽培されたぶどうを使ったワインなどが作られています。また水を豊かにする土壌を育むために森林再生に取り組んだり、森の生物多様性の回復に取り組んだりしている企業もあります。
汲み上げる地下水量以上の水資源の確保に取り組む「サントリー天然水の森」
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農地周辺の生物多様性を高め、生きものの力を活かしたネイチャーポジティブな農業を実践。「野菜生活100」の主力工場の1つを併設する「カゴメ野菜生活ファーム富士見」で取り組む「生きものと共生する農場」
#ふやす #つかう
https://yakushima-kizuna.com/tour/tour-w.html
遊休荒廃地をぶどう畑へ転換し、企業活動と自然保護の両⽴に取り組むキリンの「シャトー・メルシャン」
#ふやす #つかう
まとめ
今回ご紹介したように、おいしい食べ物や飲み物を通じて海や森を再生できる仕組みや、それに取り組む企業も増えてきています。
そうした商品を選ぶことで、無理に我慢するのではなく、日々の暮らしを楽しみながら環境により良い変化をもたらすことができます。また企業の環境を再生する取り組みに賛同したら、商品を自分自身で使ってみたり、SNSなどで情報をシェアしたりする形などで応援するのもいいでしょう。
「環境問題に何から取り組めばいいのかわからない」と感じている方は、まず私たちにとって身近な「食」からアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。ぜひこの記事を参考に、毎日の暮らしに取り入れられる食材や商品、環境再生に取り組む企業を探してみてください。
編集協力:ハーチ株式会社・IDEAS FOR GOOD編集部
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