サステナ企業が取れる?B Corp認証って何?
皆さんは、B Corp認証をご存じでしょうか?
「環境」や「ガバナンス」などのサステナビリティに関する高難度な基準をクリアした企業が取れる認証で、日本でも着実に取得企業数が増えています。日本では、2024年9月末時点で45社以上となりました。日本だけでなく、パタゴニア、オールバーズ、ダノンといったグローバル企業との連携のもと徐々に認知が拡大し、様々な業界や立場の方から注目を集めつつあります。
今回は、そもそもB Corpとはどのようなものかというところから、取得されている日本企業についてもご紹介します。
B Corp認証とは
「B Corporation™︎(以下、B Corp)」認証は、米国のNPO法人「B Lab」が運営する国際認証制度です。社会性と利益を両立する事業を展開する企業が、社会的・環境的パフォーマンスや透明性、説明責任などについて、B Labが設定した平均200を越える厳しい基準(Bインパクトアセスメント)をクリアすることで取得することができます。
企業内の仕組みや取り組み、商品単体ではなく、企業全体を評価するところに特徴がある認証制度です。2006年に開始し、現在(2024年9月末時点)、全世界104カ国162以上の産業で9100以上の企業がB Corp認証を取得しています。
B Corp認証を得るためには、5つの評価エリア「ガバナンス(企業統治)」「ワーカー(労働者、従業員)」「コミュニティ(地域社会)」「エンバイロメント(環境)」「カスタマー(顧客)」に分かれる平均200問以上の設問に回答し、スコアが「最低80ポイント以上」である必要があります。※今後、条件変更予定
B Corp認証を取得することで、ユーザーからの信用を得るだけでなく、近年、就職先を選ぶ基準としても社会的価値創造は重視される傾向にあるため、就職先の候補としても選ばれやすくなることが考えられます。
では、日本の企業はどのようなところが認証を取得しているのか、ご紹介します。
ファーメンステーション
ファーメンステーションは、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップ企業です。
未利用資源を発酵・蒸留してエタノールを製造。残った発酵粕は化粧品の「原料」や鶏・牛の餌に活用し、さらにその鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にするなど、ごみを出さないサステナブルな循環を地域コミュニティーと一緒に作っています。資源の循環を全てのプロセスに組み込み、パートナーとのコラボレーションを通じて、化粧品原料の開発や、化粧品・日用品・雑貨などの商品開発を行っています。
株式会社CFCL
「ISSEI MIYAKE MEN」の元デザイナーによる新ブランドで、CFCLというブランド名は、Clothing For Contemporary Life(現代生活のための衣服)の頭文字です。
CFCLは創業時からファッション産業の抱える問題に可能な限り向き合ってきました。CFCLの考える現代生活のための衣服とは、デザイン性や機能性が高いだけでなく、透明性と責任を伴って作られるものだと考えています。そのため、2022年、CFCLは国際的認証であるB Corporationを日本のアパレルブランドで初めて取得しました。
株式会社クラダシ
株式会社クラダシは、「日本で最もフードロスを削減する会社」というビジョンを掲げ、フードロス削減を目指すショッピングサイトの「Kuradashi」を運営しています。
まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう可能性のある食品などをお得な価格で販売し、売り上げの一部を環境保護・災害支援などに取り組む様々な団体への寄付やクラダシ基金として活用することで、SDGs17の目標を横断して支援しています。
クラダシ基金とは、ソーシャルグッドカンパニーとして、クラダシ自らが社会貢献活動を行うためにつくられた基金です。地方創生事業・フードバンク支援事業・食のサステナビリティ研究会・教育事業の社会貢献活動に充てられます。
株式会社ovgo
B corp認証で国内の飲食店初取得の株式会社ovgoが運営するovgo Bakerは、卵もバターも使用せず、全て植物性でつくるヴィーガン仕様のやさしいアメリカン・クッキーを製造、販売しています。「Doing Good Tastes So Good」の合言葉のもと、いつもみんなにとって「おいしい・たのしい・やさいい」を大切に活動しています。
ovgo Bakerのチョコレートチップクッキーは卵やバターなど乳製品を使用して製造する一般的なチョコレートチップクッキーと比較して、クッキーの原材料調達から販売・廃棄までの温室効果ガス排出量をおよそ75%削減できていることが判明しました。
Money for Goodでは、株式会社ovgo代表の髙木さんにインタビューもしています。是非こちらもご覧ください!
ハーチ株式会社
ハーチ株式会社は、インターネットやコンテンツの力を活かして社会がもっとよくなる仕組みが作りたいという想いを持つ仲間によって、2015年12月に創業されました。様々なパートナーの協力を得ながら、サステナビリティ・サーキュラーエコノミー・教育など幅広い分野でウェブメディアを企画・運営しています。
社会をもっとよくするアイデアを集めたウェブマガジンのIDEAS FOR GOODや、サーキュラーエコノミーに関するオンラインプラットフォームのCircular Economy Hub、「未来がもっと楽しみになる」をコンセプトとするサステナブル投資メディアのHEDGE GUIDEなどを運営しています。
エコリング
リユース事業のエコリングでは、店舗で買い取った商品を店頭売りをせずインターネットオークション・業者間取引・海外店舗で販売する、新たなリユースビジネスを確立しました。
誰もが簡単に参画できるエコロジーを提案し続け、各個人を結びつける役割を担い、そのエコロジーの輪(リング)を広げていくという想いで事業を展開しています。そのエコロジーの輪(リング)を広げていくという想いをこめて社名をエコリングとしました。
応援する企業の基準の一つに
B Corpやそれに登録している企業についてご紹介しました。様々な厳しい基準があるB Corpの登録企業が増えるということは、企業がそれほど熱意を持って取り組まれている証拠にもなり、注目されることで良い循環がうまれています。グローバルにも注目されている指標なので、B Corpを通じて日本以外の企業に注目したり、B Corpを取得している日本企業のグローバルな活躍を応援したいですね。
サステナブルな企業を調べる時に何から始めたらいいか分からない人は、この認証のある企業から調べてみてはいかがでしょうか。
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