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「社会課題」×「AI活用」、知っておきたい事例や取り組み企業は?


どんな社会課題の解決に、AIを活用できる?

対話型AIツール「Chat GPT」や画像生成AIなどのニュースを目にしたという方や、実際に使ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?

AIは膨大な作業を効率よくこなしたり、大量のデータから分析や予測をしたり、自ら学習したりすることができるといった特徴があります。

例えば、単純労働の自動化に加えて、ビックデータをもとにした高度な分析、自動車やドローンなどの自動運転などの複雑な作業に至るまで幅広い範囲で優れたパフォーマンスを発揮します。

これまでに、不登校の問題や高齢者の運転事故の増加、職場のメンタルヘルス、食品ロス、生物多様性の保全、海洋汚染、森林破壊の防止などさまざまな社会課題に対して、AIの特徴を活かした改善の取り組みが生まれています。

AIを活用して社会課題解決を目指す企業・取り組み

以下では、AIを活用し、さまざまな社会課題解決に挑む企業や取り組みをご紹介します。

読者のみなさんが日頃使うお金が「応援」となって社会は変わっていきます。本記事ではそんなアクションに#をつけてご紹介します。

#たすける :募金により応援できる団体
#つかう :サービスや商品を利用・購入することで応援できる企業
#ふやす :投資を通じて応援できる企業

不登校×AI

文部科学省の調査によると、国内の不登校の児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多となっています。一方で、教員が多くの業務を抱えていたり、相談機関との連携体制が整っていなかったりといった課題があるため、子どもへの適切な支援につながっていないという現状があります。

こうした問題を解決するべく、教員が記入したスクリーニングシートをもとに、AIの力を活用して支援が必要な児童生徒を抽出し、支援の方向性を提案することで、より適切な支援につなげることができるサービスです。

高齢化社会×AI

近年、交通事故の件数は減少しているものの、高齢運転者による死亡事故件数は2年連続で増加し、人的要因では年齢が高くなるにつれて自動車の操作ミスの割合が高くなっている状況です。

愛知県豊田市では、交通死亡事故ゼロを目指した官民連携事業「ジコゼロ大作戦」の一環で、ドライブレコーダーで収集した情報をAIで分析し活用。高齢者による事故リスクの低減を目指し、実証実験を実施しています。

メンタルヘルス×AI

仕事に対するモチベーションが上がらなかったり、職場の人間関係に悩んだりと、仕事が楽しいと感じられない経験は少なからずあるのではないでしょうか。

日立では、よい人間関係を、テクノロジーを使って客観的に数値化することで、「幸福度」を見える化するアプリを開発しました。このアプリを活用し、それぞれに合った働き方を支援することで、自主性をもって働くことにつなげ、それによって、仕事のやりがい、幸福感を満たすことを目指した取り組みを進めています。

フェイクニュース×AI

2020年のアメリカ大統領選挙での印象操作や、根拠のない情報の拡散により関係のない企業・ブランドに被害が及ぶケースなど、SNS上で事実に基づかない情報が拡散されてしまうことが問題となっています。

このフェイクニュース問題に立ち向かうために開発されたAIアプリ「Logically」には、AIを活用したファクトチェック機能、バイアスを排除した事実だけのニュース要約の生成機能、同じ出来事について多様な視点で書かれた記事を自動でセレクトする機能、政治家やグローバル企業のCEOなどのキープレーヤーの行動や発言を時系列で追える機能などが実装されています。

 食品ロス×AI

まだ食べられるにもかかわらず、さまざまな理由で捨てられてしまう食品ロス問題。日本人は1日あたりお茶碗1杯分の食品を捨てていると言われています。家庭で出る食品ロスも問題ですが、その半分以上はスーパーやレストランなどで発生しています。

NECは、AIを使って天候、曜日、気温などのデータから需要予測を行うことで、在庫切れによる販売機会損失や在庫過剰による廃棄ロスなどを防ぐシステムを開発し、スーパーの食品ロス削減に取り組んでいます。

生態系保全×AI

地球規模で、農地開拓による、自然破壊や生物多様性の喪失が問題となっています。一方で、人間の考えだけで複雑な生態系を理解することは難しいのが現状です。

ソニーコンピュータサイエンス研究所は、食料を生産すればするほど、生き物、植物、動物、微生物が増えて豊かな生態系が生まれる「協生農法」を実現するため、複雑な生態系の把握や構築にAIを活用しています。

災害×AI

地震や洪水、土砂災害など、さまざまな自然災害が頻発する日本。災害時の避難所生活では、衛生環境を守るための十分な生活用水の確保が難しいという課題があります。

持ち運びのできる水再生システム「WOTA BOX」は、シャワーや手洗い、洗濯機などにつなげて、排水の98%以上を再利用できるため、限られた水しかない環境で特に役立ちます。独自センサーやAIを組み合わせた水処理自律制御システム 「WOTA CORE」が内蔵されており、メンテナンスやトラブルが起きた場合はすぐに通知する仕組みになっています。

海洋汚染×AI

海の調査は、海におけるマイクロプラスチック汚染や動植物の生息地の環境悪化を知る上でとても重要です。しかし、調査船の乗組員には危険が伴い、また多大なコストもかかるため、なかなか進んでいないのが現状です。

そこで、IBMはAIを完全自動航行船の船長とすることで海洋調査の実施を促進しています。人間が乗船しないため長時間の航行が可能となり、海洋調査の新たな可能性が広がります。

森林破壊×AI

西アフリカに位置するコートジボワールでは、カカオをはじめとする農産物の生産拡大のために大規模な森林が失われました。これによる自然環境の悪化が農産物の収量に負の影響を及ぼしていることに加え、気候変動の一因にもなっています。
  
これらの課題に対し、不二製油グループは、森林の保全や再生に向けて森林モニタリングの世界的リーダー企業「サテリジェンス」と連携し、衛星画像やAIによるアルゴリズムや農園に関するデータを用いて、違法な森林伐採や開拓の防止に取り組んでいます。

まとめ


支援や注意が必要なパターンを検出したり、人の五感を補完したりと、AIの特徴を上手く活用することで、環境・社会の問題解決に大きなインパクトをもたらすことができます。特に世界中のビッグデータを活用するIT企業の取り組みに期待が寄せられています。

そうした企業の取り組みに注目して、情報をシェアしたり、株を長期保有したり、株主として企業に望ましいアクションを働きかけることも、より良い社会をつくる上でとても大切なことです。AIを社会課題解決につなげようとする企業について、関心を持って調べてみることから始めてみませんか?

編集協力:ハーチ株式会社・IDEAS FOR GOOD編集部

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